子どもが巣立つときに、母親がうつ的になる。
Q 子どもが巣立つときに、母親がうつ的になり「空になった部屋」を受け入れることができなくなることをよく聞きますが、わが家の場合はむしろ父親で、一ヵ月以上も意気消沈していました。こういうことはまれなのでしょうか。
A. いいえ、よくあることです。最近の調査ですが、大学一年生を持つ189人の親に、子どもが家を出た時の気持ちを聞きました。驚いたことに、母親より父親の 方がこたえたというのです。米国ではこれを「空っぽの巣」症候群などと言いますが、映画「花嫁の父」(1950年)は、これがメイン・テーマでした。あの 映画は娘を思う父親への、心にしみる素晴らしい捧げ物であると思います。父親のジョージは、食卓で娘の婚約のニュースを耳にして驚きます。自分の耳を信じ られないのです。目をこする彼の前に、娘の赤ちゃん姿、次に10歳のおてんば娘、そして18歳の美しい娘盛りの姿が次々に現われました。娘はあっと言う間 に成長し、もう家を出ようとしているのです。もう自分は娘にとって第一の男性ではなくなったのであり、彼には悲しみの時が必要でした。
なぜ男性が時に子どもの巣立ちをこれ程に悲しむのでしょうか。主なる原因のひとつは後悔です。あまりに忙しく働きすぎて、年月は矢のように過ぎてしまいました。そして新しい家庭を築こうとしている娘と、もう一度親子関係をやり直すには遅すぎることに気づくのです。
子どもたちがまだ家にいるお父さん方に申し上げます。一緒にいることのできる、一時一時を大切に味わってください。この時は、またたく間に過ぎ去って行くのですから。
FROM ドクター ジェームス・ドブソンのQ&A